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日比製煉所、玉野製錬所では、鉱山から採掘された銅鉱石や使い終わった銅スクラップを原料に、銅の製錬を行っています。製錬所でつくられた電気銅は、電線や電気部品など、私たちの生活に欠かせない様々な製品に使われています。
また、銅の製錬過程で生成される硫酸(副産物)は、化学製品や肥料などの原料として使用されており、限りある資源をムダなく使って、社会の発展に貢献しています。
管理間接部門である日比製煉株式会社 日比製煉所では、原料である銅精鉱や銅スクラップの手配、出来上がった製品の分析、工場の設備建設・保全などを通じて、製造部門のサポートを行っています。
製造部門である日比共同製錬株式会社 玉野製錬所では、安全・環境を第一に、原料である銅精鉱やリサイクル原料を製錬して銅品位99.99%以上の電気銅を製造し、社会のインフラを支えています。
銅の原料となる銅精鉱を酸化反応熱で熔解させ、銅が多く含まれるマットと、酸化鉄などを含むスラグに分離し、マットのみを抜き出します。ここで取り除いたスラグは、セメントの原料や土木資材として使われています。
自熔炉で抜き出したマットに酸素富化空気を吹き込むことで、鉄分、硫黄分をさらに分離し、銅品位が約99%の転炉粗銅に精製します。
転炉粗銅にわずかに残る硫黄と酸素を除去し、銅品位を99.4%まで高めます。
精製炉で銅品位を高めた粗銅を、鋳型に流し込み板状にします。板状にした粗銅はアノードとも呼ばれ、 さらに純度を上げるため電錬工場へ送られます。
熔錬工場から運ばれてきたアノードを、カソードと呼ばれるステンレス板と交互に並べ、電解液(硫酸銅溶液)で満たした電解槽に浸けて、9日間電気分解を行います。アノードが陽極、カソードが陰極となることで、アノードから電解液中に溶け出た銅分がステンレス板に付着し、9日間で厚さ6ミリほどの銅板(電気銅)に成長していきます。
9日後に電解槽からステンレス板をクレーンで引き揚げて、ステンレス板に電析した電気銅を剥ぎ取り、外観の検査と成分の分析を行ってから出荷します。玉野製錬所でつくられた銅品位99.99%以上の高品質な電気銅は「TAMANO-P」というブランド名で、世界的にも高い評価を得ています。
使い終わった銅のスクラップは、集荷してリサイクル原料として溶かしなおすことで、また新たな銅製品へと生まれ変わります。玉野製錬所は、銅鉱石だけを原料とするのではなく、リサイクル原料を用いた環境にやさしいものづくりを推進しています。
運輸部門である日比製錬物流株式会社では、構内の物流、荷役運搬および車両の整備を担っています。規模の大きい工場の中で、原料や製品を安全かつ確実に運ぶプロフェッショナルとして、工場の安定操業をサポートしています。